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牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; Lguillon, R.*; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; Ache, M.*; Astier, A.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 906, p.88 - 96, 2018/10
被引用回数:3 パーセンタイル:30.05(Instruments & Instrumentation)中性子誘起核分裂における即発高エネルギー線を観測するための新しい測定システムの開発を行った。測定システムは核分裂片を観測するための多芯線比例計数管と線測定用のLaBr(Ce)シンチレータから構成される。開発したシステムを仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉のPF1Bコースに設置して、U中性子誘起核分裂における即発線を行った。測定ではエネルギー最大20MeVまでの線スペクトルの観測に成功し、U中性子誘起核分裂において非常に高いエネルギーの線が放出されていることを確認した。
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PNC TJ1600 97-002, 97 Pages, 1997/03
原子炉施設、核燃料取扱施設においては、作業環境中の空間線量率や放射線業務従事者の被曝管理において、線のみならず中性子の測定が不可欠である。中性子検出器の一つである過熱液滴検出器に比べ低いことから、特に線と中性子が混在する作業環境における中性子線量率や放射線従事者の中性子被曝を測定できる有望な検出器である。しかし、この検出器の作動理論や、その特性については未だ十分解明されていない。本研究では現場の放射線管理への適用に資するために、この過熱液滴型検出器の作動原理の理論解析を行い、更に適応範囲の広い有用な検出器開発のための知見を得ることを目的とする。今年度は、以下の検討を行った。(1)過熱液滴型検出器の理論解析1.中性子検出感度の計算2.線検出感度の計算(2)過熱液滴型検出器試作法および試作検出器の検討(3)基本特性の測定1.過熱液滴型検出器の温度・圧力依存性2.単一液滴の中性子誘起気化の観測
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 星 三千男
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 215(1), p.81 - 85, 1997/00
被引用回数:14 パーセンタイル:72.18(Chemistry, Analytical)中性子即発線分析法(PGA)による環境試料中の多元素定量の研究を行った。JRR-3M冷及び熱中性子ビームガイドの即発線分析装置を使用し、比較法により21元素(H、B、C、N、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Cd、Sm、Gd、Hg)の定量法の検討を行い、種々の環境標準物質の分析を行った。標準物質の分析結果、生物試料中のH、C、N、Clを除き、本法の精度、正確さは20%以下であることが明らかになった。種々の試料中の検出限界は、25~820ng/g:B、Cd、Sm、Gd、1.1~820g/g:H、Na、P、Cl、K、Ti、Mn、Co、Hg、0.031~10%:C、N、Mg、Al、Si、P、Ca、Feであった。本法を、INAA、ICP-MSとともに、ペルシャ湾岸地域の海洋環境試料分析に適用した。
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 澤幡 浩之*; 黒沢 達也*; 星 三千男; 伊藤 泰男*
Cancer Neutron Capture Therapy, 0, p.221 - 225, 1996/00
高分析感度、低線バックグラウンドの中性子誘起即発線分析(PGA)装置をJRR-3M冷および熱中性子ビームガイドに設置した。本装置を用いたPGAにより、BNCT法による脳腫瘍の治療の際、血液、尿、腫瘍中のBの定量を行った。約1gの試料をFEPバイアルにとり、冷中性子又は、熱中性子ビームガイドで500~1000秒間即発線スペクトルを測定した。B 478keV、H 2224keV 線のピーク面積の比から試料中のBを定量した。本法は、JRR-2を用いたBNCT法による脳腫瘍の治療際の実際の分析に応用されており、本法のBの定量値により、中性子照射量が決められている。
米澤 仲四郎; 伊藤 泰男*
Radioisotopes, 43(1), p.50 - 53, 1994/01
原子炉の中性子を利用した、中性子誘起即発線分析(PGA)の解説を行った。PGAの原理及び特徴について記述した後、冷中性子等の低速中性子ガイドビームを中性子源としたPGAの特長について示した。更に、筆者らがJRR-3Mの冷中性子及び熱中性子ビームガイドに設置した即発線分析装置の概要及び特性等について記述するとともに、現在JRR-3Mで行われている応用研究例の紹介も行った。最後に、PGAによる物質中の元素及び同位体の分布分析法等の、今後の発展性についても記述した。
米澤 仲四郎; 間柄 正明; 星 三千男; 伊藤 泰男*
Proc. of Int. Trace Analysis Symp. 94; ITAS 94, 0, p.81 - 84, 1994/00
JRR-3M冷及び熱中性子ビームガイドに高感度、低線バックグラウンドの即発線分析装置を設置した。冷中性子ビームにおける73元素の分析感度と検出限界を測定した結果、B、Cd、Sm、Gdが最も分析感度が高く、検出限界はngレベルである事が分った。冷中性子ビームを使用し、H、B、C、N、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Cd、Sm、Gd、Hg等21元素の定量法の検討を行い、岩石、生物、堆積物(池、海洋、河川)、石炭、石炭灰、頭髪及びその他の環境関係の標準物質の分析に適用した。これらの標準物質の分析結果から即発線分析(PGA)の精度及び正確さを測定した結果、大部分の元素はほぼ20%以内の精度及び正確さで定量できる事が明らかになった。更に、各種物質中の元素の検出限界を求めた結果、B、Cd、Sm、Gdはppbレベル、H、Na、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Hgはppmレベル、C、N、Mg、Al、Si、Pは%レベルである事が分った。
田村 信行; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; 西中 一朗; 牧井 宏之; 木村 敦; 太田 周也*; Andreyev, A. N.; Vermeulen, M.*; Gillespire, S.*; et al.
no journal, ,
原子炉の運転に伴って長寿命のマイナーアクチノイド(MA)が生成する。このMAを分離・核変換することで将来にわたる環境への放射線影響を低減することが重要となっている。このための核変換炉を構築するため、MAの中性子入射断面積を高精度で測定する必要がある。本研究では、中性子誘起核分裂および中性子捕獲断面積を同時に測定する方法を開発し、これを用いてAmのデータを取得した。中性子飛行時間分析法を用いた本実験は、J-PARC/MLFのBL04コースで行った。核分裂事象を決定するため、即発中性子を有機液体シンチレータで検出した。この検出器を用いて捕獲反応で放出される線も検出した。線と中性子は、波形弁別法によって区別した。測定で得られた低エネルギー側の3つの共鳴のうち、捕獲断面積は従来の測定によく一致したものの、第2共鳴の核分裂断面積は従来より高い値を得た。核分裂および捕獲断面積を同時に測定する手法を見出したのは本研究が初めてであり、核データの高精度化につながる成果である。